ムラサキツバメ♂ (ボルネオ) Arhopala bazalus tamamitsui
Powdered Oakblue (Borneo)
種分布:アッサム、シッキム、南中国、台湾、日本、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、大スンダ列島

記録:2018/2/23
場所:クンダサン、ボルネオ、マレーシア (Kundasang, Borneo, Malaysia)

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ムラサキツバメ♂ 表面 (ボルネオ)

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ムラサキツバメ♂ 裏面 (ボルネオ)


♂♀異斑。♂の翅表はほぼ無紋であるが、♀の前翅表面中央から基部にかけて紫斑が現われる。

表示亜種 tamamitsui ♂ (ボルネオ)
亜種tamamitsuiの分布:ボルネオ
他亜種1 turbata 分布:日本、台湾→♂
他亜種2 teesta 分布:アッサム、シッキム、南中国、ミャンマー、タイ、ラオス→♀、ベトナム

サバでは、キナバル山麓の標高1,600m程度の渓流地で、林縁に飛来した1♂を記録している。飛翔中は黒っぽく見え、Arhopalaの種類ということは分かったが、種名は分からなかった。この渓流沿いの地は、時期をずらして何回か調査しているが、見かけたのはこの1回だけで、他のArhopalaの種類も見たことがない。
種名は、帰国して展翅してもよく分からなかった。ボルネオの蝶Vol.2、No.1シジミチョウ編では適当な種が見当たらない。翅表がほぼ無紋であることから、ムラサキツバメかと思ったが、記載がない。著者のSさんに問い合わせると、やはりムラサキツバメ♂だとのこと。ボルネオの蝶出版時には、ムラサキツバメは記録されておらず、その後ボルネオ未記録種として発見されたとのこと。どうりで見かけない種類だと納得した。

ボルネオ亜種はやや大型。♂の翅表の地色は黒褐色で、他亜種と同様に殆ど無紋。
翅裏の地色は暗褐色で、前翅第1b室中央の灰色部は、台湾亜種より減退する。翅裏には灰白色線に縁取られた黒褐色帯状斑が現われるが、台湾亜種と比べると灰白色線は細く、帯状斑の色は地色に近いため斑紋は目立たなくなる。特に後翅裏面では、細い灰白色線が多数配置するように見える。