オナシアゲハ♂ (マレー半島) Papilio demoleus malayanus
Lime Butterfly (Malay Peninsula)
種分布:イラン、インド、南中国、台湾、タイ、インドシナ、ランカウイ、マレー半島、スマトラ、フィリッピン、オーストラリア

記録:1993/9/30
場所:ゴンバ、マレー半島、マレーシア (Gombak, Malay Peninsula, Malaysia)

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オナシアゲハ♂ 表面 (マレー半島)

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オナシアゲハ♂ 裏面 (マレー半島)


♂♀類似斑。♀は黒条が淡いことと、♂の後翅第2脈の黒条は中室に達するが、♀では中室にとどかないことから区別できる。

表示亜種 malayanus ♂ (マレー半島)
亜種malayanusの分布:南ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム、カンボジア、ランカウイ、マレー半島、スマトラ

低地性のオープンランドの蝶で、標高が高くなると見かけなくなる。村落近辺の草地や樹林近辺を飛翔したり、吸蜜に現われたりする。山地では少なく、吸水個体は観察していないが、暑い乾季に動物性ベイトに誘引された個体を観察している。
飛翔は敏速で、飛翔中は黒地に多数の黄斑が混ざって見え、飛翔中でも種類を特定できることが多い。同じ柑橘系を食樹とするシロオビアゲハナガサキアゲハと同所的に見られ、所により混生する。
生息範囲は広い。本種の個体数は少なくいないが、樹林地主体に採集をしていると本種に出会う機会は少なくなる。

翅表の地色は黒色で、前後翅の中央にかけて黄色斑が配列し、太い黄色帯が斜めに配置するように見える。後翅第7室の黄色斑中に黒色部があり、黄色帯に黒斑が配置するように見える。さらに前後翅亜外縁の各室に黄色斑が配置し、前翅外縁付近の黄色斑と合わせて黄色斑紋が混んで現われるように見える。また、後翅亜外縁に暗赤色斑がある。
翅裏の地色は黒色。翅表と同様な黄色斑に加え、外縁に淡橙黄色斑が現われ、また前翅基部に黄色線条、後翅基部に黄色斑が現われる。後翅中央に橙色斑が配置する。
対象地域に類似する斑紋の種類はいないので、同定は容易である。