タイワンカラスシジミ♀ (台湾) Fixsenia formosana formosana
種分布:東中国、台湾

記録:2017/5/23
場所:埔里、台湾 (Puli, Taiwan)

170720E001tSW
タイワンカラスシジミ♀ 表面 (台湾)

170720E002tSW
タイワンカラスシジミ♀ 裏面 (台湾)


♂♀類似斑。♂は前翅表面の中室端上側に楕円形の暗灰色性標があり、♀はこれを欠く。

表示亜種 formosana ♂ (台湾)
亜種formosanaの分布: 東中国、台湾

埔里近郊では、標高1,000m前後の低地から中山地に生息地が多く、樹林地の林縁で葉上に静止していたり、近辺の草本で吸蜜していたりする。吸水個体や動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。
飛翔は速くなく、飛翔中は黒褐色に見える。カラスシジミ属の種類にしては大型である。樹林地でタイワンルリモンアゲハなど黒系のアゲハが飛び、草本でメスシロキチョウが吸蜜するような環境で見られ、本種は林縁等から離れないことが多い。
生息地は限定的でなく、個体数は少なくない。埔里近郊では5月末~6月上旬に多く見られ、7月にはあまり見かけない。

翅表の地色は黒褐色で、前翅は無紋。後翅は肛角部に円形の突起があり、内部は橙斑になる。後翅第2、3脈の先に細長い尾状突起があり、第2脈の尾状突起は長い。
翅裏の地色は茶褐色で、前後翅を通じ外中央に白線が縦に配置し、その内側に黒斑が配列する。前翅の黒斑は下方で大きく、上方で小さくなるが、下方の黒斑はよく目立つ。後翅第1~3室の亜外縁には橙斑が配置し、第2室の橙斑は黒斑が付随してよく目立つ。