ムラサキサカハチシジミ♂ (ボルネオ) Discolampa ethion icenus
Banded Blue Pierrot (Malay Peninsula)
種分布:スリランカ、インド、南中国、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、スンダ列島、スラウェシ、フィリッピン

記録:2024/7/5
場所:ポーリン温泉、ボルネオ、マレーシア (Poring Hot Spring, Borneo, Malaysia)

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ムラサキサカハチシジミ♂ 表面 (ボルネオ)

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ムラサキサカハチシジミ♂ 裏面 (ボルネオ)


♂♀異斑。♂は翅表の白色斑の周りに薄い紫色を現わし、♀はこれを欠く。

表示亜種 icenus ♂ (ボルネオ)
亜種icenusの分布:ボルネオ

標高1,000m以下の低山地に生息地が多く、特に500m以下で見かけることが多い。高標高側では見られなくなる。山地の渓流沿いで地表近くを飛翔していたり、吸水に集まったりする。動物性ベイトに誘引される。
飛翔は緩やかで、地表付近をチラチラ飛翔する。飛翔中は黒っぽく見え、他のサカハチシジミ類やヒメシジミ類と混生する。飛翔中は同じように見え、採集前に区別することは難しい。個体数は少なくないが、類似種を一定数採集しておかないと採り逃す。また、生息地に偏りがある。例えばボルネオのマムート付近では見かけないが、ポーリン温泉では珍しくない。
発生時期は季節により増減はあるが、年間を通じて見かける。

♂翅表の地色は黒色で、前後翅を通じ中央に白帯が逆八状に配置する。♂は白帯の周囲に淡紫色が現れる。
翅裏の地色は淡灰白色で、中央は白帯になる。前翅前縁中央から後翅基部にかけて黒条が2本配置する。また、外縁から外中央に黒斑列が3本配置し、内側の列は黒条列になる。
他のサカハチシジミ類と類似するが、♂の翅表に淡紫色斑が現われるのは本種だけである。