シロオビベニホシイナズマ♀ (ボルネオ) Euthalia adonia montana
White-Banded Red Baron (Borneo)
種分布:南タイ、ランカウイ、マレー半島、⼤スンダ列島、パラワン、バリ、ロンボック

記録:2024/3/11
場所:コタキナバル、ボルネオ、マレーシア (Kota Kinabalu, Borneo, Malaysia)

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シロオビベニホシイナズマ♀ 表面 (ボルネオ)

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シロオビベニホシイナズマ♀ 裏面 (ボルネオ)


♂♀異斑。♀は前後翅中央に太い白帯を配置するが、♂はこれを欠く。

表示亜種 montana ♀ (ボルネオ)
亜種montanaの分布:ボルネオ

ボルネオで得た1♀しかデータはないが、自然林内の葉上に静止していたもの。現地は標高400m程度の低山地で、明るい林道内で見かけた。短かく飛翔して静止したが、白帯が目に入りベニボシイナズマの種類であろうということは分かった。ただ、同地で見たことがない種類なので、急いで確認した。
採集地点では、他にネッタイオオミスジなどのAthyma属の種類が枝先でテリを張っている状況が観察できたが、本♀はより低い2m高程度の位置で見られ、枝先ではなかった。
同じような自然林は他地域でも調査しているが、見かけたことがないので個体数は少ないと思われる。

♀の翅表の地色は黒褐色で、後翅中央白帯の外側は暗緑色味を帯びる。前後翅中央に太い白帯が円弧状に配置し、前翅白帯の両側に白斑が並ぶ。後翅の第5~7室外縁に赤色斑が現われる。
♀の翅裏の地色は淡褐色で、後翅ではより明色になる。特に後翅肛角付近は淡緑色を帯びる。斑紋構成は翅表と同様に白帯が配置するが、前後翅共に中室に淡赤斑が現われる。
♀は他のベニホシイナズマ種の♀と類似するが、本種は後翅まで白帯が現われることから区別は容易である。