アベランスムラサキシジミ♂ (北・中タイ) Arhopala aberrans aberrans
Pale Bushblue (Thailand)
種分布:インド、南中国、ミャンマー、北・中タイ、ラオス、ベトナム

記録:2014/10/10
場所:ムアンガイ、タイ (Mueang Ngai, Thailand)

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アベランスムラサキシジミ♂ 表面 (北・中タイ)

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アベランスムラサキシジミ♂ 裏面 (北・中タイ)


♂♀異斑。♀は外縁の黒帯が幅広く、区別は容易である。

表示亜種 aberrans ♂ (北・中タイ)
亜種aberransの分布:インド、南中国、ミャンマー、北・中タイ、ラオス、ベトナム

タイ北部では、村落近辺の乾燥した疎林地で葉上に静止している個体を観察している。吸水個体や、動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。
飛翔は速くなく、葉上でパラパラと移動する印象を受ける。アシナルスムラサキシジミと同所的に生息するが、本種の方がより低位置で見かけることが多かった。乾季の10~11月に記録しており、気温が低くなりだして乾燥した時期に見られた。乾季でも2~3月の暑期には見かけなかったので、気温が関係しているのかもしれない。
樹林地では見かけず里山中心にいる印象をうけるので、採集機会が少ない種である。個体数は多くない。

♂翅表の地色は鈍い青色で、前後翅の外縁に黒帯が縁取る。後翅第2脈の先に細い尾状突起が伸び、尾状突起の両側外縁に細い黒条が配置する。
♂翅裏の地色は灰白色で、多数の褐色斑が配置する。地色との対比が明瞭で特徴的な印象を与える。
一見アサクラシジミと類似するが、本種の方が大型で、本種翅裏の地色はより白色味が強い。