チャイロフタオ♂(白帯) (ラオス) Charaxes bernardus mahawedi
Common Tawny Rajah (Laos)
種分布:ネパール、ヒマラヤ、南中国、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、スンダ列島

記録:2014/10/16
場所:バンビエン、ラオス (Vang Vieng, Laos)

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チャイロフタオ♂(白帯) 表面 (ラオス)

160723E012S
チャイロフタオ♂(白帯) 裏面 (ラオス)


♂♀異型、異斑。翅表に白帯を現わす型と、白帯がない型とがある。

表示亜種 mahawedi ♂ (ラオス)
亜種mahawediの分布:タイ北部、ラオス、ベトナム
他亜種1 repetitus 分布:ボルネオ→♂
他亜種2 crepaxの分布:タイ半島部、ランカウイ、マレー半島→♂

低地から900m程度の低山地に生息し、所によっては1,600m程度の中山地にも生息する。村落近くの林縁や自然林の渓流沿いなどに多く、道沿いに飛翔したり、吸水に集まったりする。シュリンプペーストなど動物性ベイトに強く誘引され、多数集まる。また犬などの獣糞にも集まる。動物性ベイトへの誘引性は極めて強く、動物性ベイトを入れた容器をザックに入れて歩いているとザックに飛来するほどである。
飛翔は速く力強い。飛翔中は褐色に見える。アルジャフタオチョウ(Polyura arja)など他のタテハと合わせて集団吸汁をしていることも多い。このような場合、採集は容易である。
茶色系のフタオチョウの中では最も多く、各地で個体数が多い。タイやラオスでは2~3月や9~10月の乾季に個体数が多いが雨期でも見られ、通年を通じて発生している。

白帯型の♂前翅表面の前縁から後縁にかけて太い黒色部があり、その内側に白帯が現われる。白帯の内側は茶褐色で、後翅前半まで続く。白帯の内側の境界には、黒色線条斑が配置する。後翅表面の地色は茶褐色で、前縁端から肛角まで黒褐色帯~黒斑が配置し、中に白点が現れる。♂の後翅では短い尾状突起を現わす。
白帯型の♂翅裏の地色は灰褐色で、翅表と同様な位置に灰白帯が現れるが、灰色斑が重なり細い灰白帯となる。灰白帯の内側は、線条が縁取る斑紋が縦に配置する。後翅裏面の外中央に黒褐色直線条が配置する。