シロコムラサキ♂ (北タイ) Mimathyma ambica miranda
Indian Purple Emperor (Thailand)
種分布:北インド、ミャンマー、北タイ、北ラオス、北ベトナム、西北スマトラ

記録:2014/10/2
場所:ムアンガイ、タイ (Mueang Ngai, Thailand)

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シロコムラサキ♂ 表面 (北タイ)


160715E005S
シロコムラサキ♂ 裏面 (北タイ)


♂♀類似斑。♀の翅表の地色は、茶褐色。

表示亜種 miranda ♂ (北タイ)
亜種mirandaの分布:北タイ、北ラオス→♀

低地から600m程度の低山地に棲息する。樹林性の蝶であるが、村落近くの林縁などでも見られる。一般に明るい空間がある場所で見られ、山地の渓流などで吸水に集まったり、岩の上でテリを張ったりする。獣糞にきていることもある。また、シュリンプペーストなど動物性ベイトにも誘引される。動物性ベイトで吸汁する場合は単独で吸汁していることが多く、同所的に棲息するチャイロフタオなどと共に集まっていることは少ない。
人の気配に敏感で、近づくと飛び立ち少し先に静止する行動を繰り返す。その内に飛び去り、採集しにくい。飛翔は速いが、低い位置を滑空するように飛翔する。飛翔中は、翅を広げている状態を上から見ることが多く、白帯と紫色の幻光が鮮やかである。
棲息地は限定されるわけではないが、どこでも見られる種類ではない。♀は見かける機会は少ない。年間の発生時期は未確認であるが、タイやラオスでは2~3月の乾季に多く見られた。

♂の翅表の地色は黒色。前後翅にわたり白帯が中央縦に現われ、見る方向により青紫色に輝く。前後翅の亜外縁の各室に白斑が現われるが、前翅の上方では不鮮明になる。また、亜翅頂部第4~6室に白斑が計3個並び、第4室の白斑は小さい。後翅前縁白条の外側と、後翅肛角部に橙色斑を現わす。
♂の翅裏の地色は銀白色で淡青色を帯びる。翅裏にも前後翅を通じ翅表と同様に白帯が現われ、その外側に褐色帯が並列する。前翅裏面第1~3室の白帯の外側では橙斑があり、第2室の橙斑は丸い黒斑を内蔵する。前翅白帯の内側は黒条が接し、内側の中室内に短黒条と黒点がある。また、前後翅共に、外縁は褐色で縁取られる。後翅裏面の亜外縁の各室には、小白斑が現れる。