フタオチョウ♂ (台湾) Polyura eudamippus formosana
Great Nawab (Taiwan)
種分布:西北ヒマラヤ、ネパール、南中国、台湾、沖縄、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島
沖縄産は別種という説もある。

記録:2019/7/11
場所:埔里、台湾 (Puli, Taiwan)

190905Eb11S
フタオチョウ♂ 表面 (台湾)

190905Eb12S
フタオチョウ♂ 裏面 (台湾)


♂♀類似斑。♀は一般に♂より大型。

表示亜種formosana ♂ (台湾)
亜種formosanaの分布:台湾
他亜種nigrobasalis 分布:インド、ミャンマー、タイ→♂、ラオス

低地から800m程度の低山地の蝶で、高地ではほとんど見られなくなる。村落近くの樹林地や山地の渓流沿いで迅速に飛翔し、吸水や動物性ベイトに集まる。吸水中は鈍感になり、場合によっては手掴みで採集できる。
インドシナでは低地側に本種が棲息し、高地ではウスイロフタオチョウ (P. dolon)やヒメフタオチョウ(P. narcaea)がとって替わる。また、インドシナでは、ゴマフフタオチョウ(P. nepenthes)と混棲することが多いが、台湾の埔里近郊ではヒメフタオチョウと混棲する。
棲息地では個体数は多い。台湾では7月以降に見られることが多い。

翅表の地色は白色で、前翅には前縁から外縁にかけて太い黒帯がある。黒帯内には白斑・白点が散在する。後翅表面亜外縁に黒帯があり、第2、4脈の先に細長い尾状突起がある。
翅裏の地色は白色で、前翅裏面には外縁と外中央に茶褐色の線条があり、その間の地色は銀色味を帯びる。また、前翅中室付近にY字状紋が現われ、その内側基部に2個の黒点がある。後翅裏面の外縁に茶褐色の縁取りがあり、亜外縁に凹字状斑を伴う茶褐色の線条が並列する。外縁との間の各室に黒点が配置する。また、亜基部に茶褐色の線条が縦に配置する。
ゴマフフタオチョウと類似するが、ゴマフフタオチョウの前翅表面基部は太い黒色帯を欠き、前翅裏面中央部にY字状斑を欠く。
ヒメフタオチョウとも類似するが、ヒメフタオチョウの前翅表面基部も黒色帯を欠く。また、ヒメフタオチョウは前翅裏面中央部にY字状斑を有するが、フタオチョウが有するY字状紋の横前縁側にある2つの黒点を、ヒメフタオチョウは欠く。