インケルタダマシヒカゲ♂ (北・中央スラウェシ) Zethera incerta incerta
Great Wallacean (Sulawesi)
種分布:スラウェシ島の北部から中部

記録:2018/9/10
場所:パル、スラウェシ、インドネシア (Palu, Sulawesi, Indonesia)

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インケルタダマシヒカゲ♂ 表面 (北・中央スラウェシ)


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インケルタダマシヒカゲ♂ 裏面 (北・中央スラウェシ)


ダマシヒカゲという名前通り擬態種で、マダラチョウのように見えます!!
♂♀類似斑。♀はより大型になり、翅型は丸味を帯びる。
大形種で、ビトレアヒメゴマダラ (Ideopsis vitrea)に擬態している。

表示亜種 incerta ♂ (北・中央スラウェシ)
亜種incertaの分布:北・中央スラウェシ→♀

低山地から中山地で見られ、好樹林性の種類である。ジャノメチョウ亜科の種類であるが草地や地面近くの低位置ではあまり見られず、樹林内や林縁に生息して背丈付近や、より高い位置の木の葉に静止していたりする。
生息地は局所的で、個体数は多くない。ビトレアヒメゴマダラに擬態しているが、ビトレアヒメゴマダラが草地等の開けた空間に生息するのに比べ、生息地での接点は少ないように見える。

翅表はビトレアヒメゴマダラと同様に、前後翅共に黒褐色の地色に中央から基部側に白色部が広がり、翅脈沿いのみが黒色を帯びる。前翅表面の周囲は、ビトレアヒメゴマダラと異なり、前縁には薄黄色斑が現われず黒褐色のままである。外縁には小さな薄黄色点列は現われず、黒褐色の地色に灰白色の矢印状斑が配列する。また第1b室と第2室には、小白点の眼状紋が3個現れる。本種インケルタダマシヒカゲの後翅表面にはビトレアヒメゴマダラと類似する位置に白黄色部が現れるが、色調は薄い。白黄色部の外側には小白点の眼状紋列が配列し、ビトレアヒメゴマダラの外縁にある小さな薄黄色点列は現れない。翅裏は翅表とほぼ同様である。
ビトレアヒメゴマダラとは細部は異なるが全体の斑紋・配色は類似し、現地では紛らわしい。