ハルカゼアゲハ♂ (北ラオス) Graphium mandarina kimurai
Spctacles Swordtail (North Laos)
種分布:北東インド、南中国、ミャンマー、北タイ、ラオス、ベトナム

記録:2018/3/30
場所:プーサムスン、ラオス (Phou Samsoum, Laos)

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ハルカゼアゲハ♂ 表面 (北ラオス)

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ハルカゼアゲハ♂ 裏面 (北ラオス)


♂♀類似斑。♀は少ない。

表示亜種 kimurai ♂ (北ラオス)
亜種kimuraiの分布:北タイ、北ラオス

1,500m〜2,000m程度の高地に生息し、2月〜3月の早春にのみ出現する。高地の自然林の中を流れる渓流沿いが好適地で、渓流沿いに飛翔したり、吸水に現れたりする。動物性トラップにも誘引される。飛翔中は白っぽく見え、速く飛ぶシロチョウの感がある。アゲテスオナガタイマイと混生するが、個体数はハルカゼアゲハの方が少ない。
生息地は高地であるため雲がかかることが多いが、陽が射す間しか見られず清楚な外観から気難しいお嬢様のようである。また、発生時期と場所が限定されるため出会える難度は高く、初めて見たときは感激した。

馴染み深い台湾のアサクラアゲハ(G. eurous)と類似する斑紋構成で、白色ベースの地色に前翅表面外縁には暗色線条と黒い翅脈で挟まれた白紋の紋様が配置する。その内側には前縁から延びる暗色線条が6本配列する。後翅表面はほぼ白色であるが、肛角から尾状突起にかけて黒色斑が現れ、肛角の第1a、1b室に黄色紋が配置する。前翅裏面はほぼ前翅表面と同様である。後翅裏面には、外縁に3本の暗色線条が縦にはしる。その内側に前縁中央から中室端、肛角へと続く中央暗色線条があり、前縁下と中室端に4角形状の紋が各1個、計2個配置する。
アサクラアゲハモクセイアゲハ(G. mullah)と類似する。アサクラアゲハの後翅裏面の斑紋のうち、中央暗色線条にある4角形状の紋は3個現われる。モクセイアゲハは他の2種よりやや大型で、後翅裏面の斑紋のうち、中央暗色線条にある4角形状の紋は、前縁下の1個のみである。