チビコムラサキ♂ (ラオス) Rohana parisatis pseudosiamensis
Siamese Black Prince (Laos)
種分布:南インド、アッサム、シッキム、南中国、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、大スンダ列島

記録:2017/1/8
場所:バンビエン、ラオス (Vang Vieng, Laos)

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チビコムラサキ♂ 表面 (ラオス)

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チビコムラサキ♂ 裏面 (ラオス)


♂♀異班。小形種。

表示亜種 pseudosiamensis ♂ (ラオス)
亜種pseudosiamensisの分布:東ミャンマー、タイ、ラオス→♀、マレー半島
他亜種 borneana 分布:ボルネオ→♂

低山地から1,000m以下の低山地に棲息地が多く、ボルネオでは1,600m程度の高山地まで棲息を確認している。主として樹林地近縁の開けた林道や林縁で、低い位置の木の葉や地面に静止している。♂は渓流沿いで吸水に現われたり、動物性ベイトに誘引されて飛来する場合も多い。
飛翔は速く、♂の飛翔中は真っ黒に見える。ナクラチビコムラサキ(R. nakula)など他のチビコムラサキ属の種類と混棲する場所もあるが、生態から現地で区別することは難しい。棲息地では個体数は多く、チビコムラサキ類の中でも最も個体数が多い。ただ、本種の♀は吸水等に集まらず、見かけるのは稀である。

♂の翅表は暗紺黒色で、コムラサキ亜科の種類としては特異である。前翅翅頂近くに小白点が1個ある以外、翅表は前後翅共に無紋である。
♂の翅裏の地色は茶褐色で、前翅翅頂部に翅表と同様な小白点がある。この下、前翅の前縁中央付近から縦に黒褐色帯が配置し、後翅中央に続く。また、前翅黒褐色帯の内側前縁から白線条が下方に不鮮明に現われ、前翅亜翅頂部に小白斑と小白点が3個不鮮明に現われる。外縁には淡茶褐色の小斑点が並び、前後翅の基部に茶褐色の斑点が現われる。