オオシロオビクロヒカゲ♂ (台湾) Lethe mataja mataja
種分布:台湾の特産種

記録:2018/6/7
場所:埔里、台湾 (Puli, Taiwan)

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オオシロオビクロヒカゲ♂ 表面 (台湾)

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オオシロオビクロヒカゲ♂ 裏面 (台湾)


♂♀類似斑。♀はやや大型で、翅形が横長になる。

表示亜種 mataja ♂ (台湾)
亜種matajaの分布:台湾

標高600m程度の低山地から2,000m程度の高地に生息し、樹林地で見られる。林縁や暗い林道の地面付近で、木の葉に静止していたり、色彩が似た斜面の岩に静止していたりする。人が近づくと飛び出す。渓流沿いや吸水に現れる姿は見られない。
台湾北部から中南部にわたり、山地帯に広く分布する。個体数は多い方ではない。埔里付近では4月頃から発生が見られた。シロオビクロヒカゲ、メスチャヒカゲ(L. chandica)等と混生する。

翅表の地色は暗黒褐色で、前翅の翅頂近くに白帯が円弧状に現れる。後翅表面はほぼ無紋であるが、♂は第3室亜外縁に黒色の性標を有す。翅裏の地色は翅表より少し明るい黒褐色で、前翅には翅表と同様の白帯が円弧状に現れる。加えて翅頂部外縁に眼状紋が3個並び、外縁に灰色の縁取りがある。また中室に黒条が2本、中室端に1本現れる。後翅裏面には、外縁に灰色の細い縁取りがあり、その内側に眼状紋が並ぶ。第7室の眼状紋が最も大きい。眼状紋の内側に細い黒褐色の線条が、中央で外側に湾曲して配列する。また、その内側に長短の2本の線条が縦に配列する。
シロオビクロヒカゲ(L. verma)と類似する。本種オオシロオビクロヒカゲの方が大形で、シロオビクロヒカゲの後翅裏面の眼状紋内側の2本の線条は、黒褐色ではなく淡い青色を帯びた灰白色である。