メスシロキチョウ♂ (北ラオス) Ixias pyrene latifasciata
Yellow Orange Tip (Laos)
種分布:インド、南中国、台湾、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島

記録:2019/5/30
場所:バン・ター、ラオス (Ban Tah, Laos)

190830Eb11SW
メスシロキチョウ♂ 表面 (北ラオス)

190830Eb12SW
メスシロキチョウ♂ 裏面 (北ラオス)


♂♀異斑で、♀は亜種によって、白色型と黄色型の2型がある。また、季節的、地理的変異が著しい。

表示亜種 latifasciata ♂ (北ラオス)
亜種latifasciataの分布:南中国、北タイ、北ラオス
他亜種 insignis 分布:台湾→♂, →♀

タイ、ラオスでは低地から中山地に多いが1,700m程度の高地にも生息する。主に山地の広い林道や渓流沿いに見られる。また街中の草地などでも見られる。飛翔時はキチョウ類のように黄色が目立つが、キチョウ類より活発で直線的に先へ先へと飛翔する。草地で吸蜜する姿や、渓流沿いで吸水する姿が見られる。また動物性ベイトにも誘引される。
通年にわたって見られるが、乾季には大きな吸水集団が見られるなど個体数は多い。♀は♂に比べて不活発で、見かける機会はかなり少ない。

大陸部の亜種は季節変異が顕著で、乾季型は雨季型に比べて後翅表面の外縁黒帯が細まり、また、裏面の斑紋の発達がより著しい。表示個体は、雨期のラオス北部での採集である。
タイ、ラオスに棲息する個体は、翅表の黒色部と赤色部を除き全面黄色になるものと、白色になるものに別れ、一般に前者が北部に分布し、後者が南部に分布する。亜種名は複数挙げられているが、ここでは前者をlatifasciata、後者をvernaとした。
亜種latifasciataの♂翅表地色は黄色で、前翅は翅頂部から中央部まで黒色で、その中に赤色の大きな円弧状帯がある。赤色帯の下端で中室端にあたるところに黒点があり、赤色帯のアクセントになっている。後翅表面は外縁から肛角に黒縁があり、雨期の個体では太くなる。
♂の翅裏は殆ど全面黄色であるが、前翅裏面中室、後翅裏面中室にそれぞれ黒点があり、前翅裏面肛角部に黒斑がある。裏面の斑紋は変異が大きい。