ワタナベアゲハ♂ (台湾) Papilio thaiwanus thaiwanus
Formosan Swallowtail (Taiwan)
種分布:台湾の特産種

記録:2017/5/28
場所:埔里、台湾 (Puli, Taiwan)

170722E001SW
ワタナベアゲハ♂ 表面 (台湾)

170722E002SW
ワタナベアゲハ♂ 裏面 (台湾)


♂♀異斑。レテノールアゲハ(P. alcmenor)の1亜種とされることもある。

表示亜種 thaiwanus ♂ (台湾)
亜種thaiwanusの分布:台湾→♀

低地から1,000m程度の中山地に棲息し、主に樹林地で見られる。樹林内の林道で蝶道を作り、道沿いを次々に飛来したり、樹冠を飛翔したりする。山道を飛翔し、地面の留水で吸水することも多い。また、渓流沿いを飛翔し、吸水に集まる。動物性ベイトに誘引される。
台湾の埔里近辺の山地では、オナシモンキアゲハタイワンルリモンアゲハタイワンモンキアゲハなどの黒系のアゲハと混棲し、吸水集団をつくることもある。本種ワタナベアゲハの個体数は多い方である。裏面の赤紋が目立つため、吸水集団の中でも間違えることはない。

♂の翅表の地色は黒色で、前後翅共にほぼ無紋であるが、後翅第1a室外縁に微小な赤紋を現わす。
翅裏の地色は黒色であるが、前翅は亜外縁の各室に淡灰線条が並ぶ。後翅裏面の外縁には赤紋が並ぶと共に、基部から内縁にかけて赤帯が配置し、第2~第4室外縁の赤紋に連なる。この後翅裏面の黒色地色と赤紋からなる斑紋構成は特異で、同定は容易である。