ムンダコイナズマ♂ (ボルネオ) Tanaecia munda munda
Peninsula Viscount (Borneo)
種分布:北インド、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、ボルネオ

記録:2020/3/9
場所:コタキナバル、ボルネオ、マレーシア (Kota Kinabalu, Borneo, Malaysia)

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ムンダコイナズマ♂ 表面 (北ボルネオ)

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ムンダコイナズマ♂ 裏面 (北ボルネオ)


♂♀類似斑。中型種。

表示亜種 munda ♂ (北ボルネオ)
亜種mundaの分布:北ボルネオ

低山地に棲息し、樹林地で見られる。林縁の木の葉でテリを張ったり、林内の地面に静止していたりする。渓流沿いや吸水に来る個体は観察していない。また動物性ベイトに誘引されない。パイナップルトラップには♂、♀共に誘引される。林内の背丈ほどの高さに設置したトラップでよく見られる。
飛翔は緩やかで滑空するように林内を飛翔する。低い位置を滑空していることが多い。ペレアコイナズマ (T. pelea)、アルナコイナズマなど他のコイナズマ類と混棲する。生態と斑紋は互いに類似し、特にアルナコイナズマは現地で区別することは難しい。

斑紋は変異が大きい。翅表の地色は褐色で、前翅の亜外縁には白矢印斑とその外側に白褐色矢印斑が並ぶ。また基部側には黒褐色線条で囲まれた斑紋が配置する。後翅表面の外縁には白褐色矢印斑が並び、基部側には黒褐色線条で囲まれた斑紋が配置する。なお、後翅外縁の白褐色矢印斑は淡い藤色を帯びる。
翅裏の斑紋は翅表と類似するが、地色は茶褐色になる。後翅外縁の白褐色矢印斑上の淡藤色は目立たなくなる。
アルナコイナズマ(T. aruna)と類似する。前翅表面の第2、3室の矢印斑列において、アルナコイナズマでは、白矢印斑の外側が山型の黒細線で区切られ、離れて白褐色矢印斑があるように見えるが、本種ムンダコイナズマでは、この山型の黒細線が弱く、外側の白褐色矢印斑とつながっている。