キシタマダラ♂ (ボルネオ) Parantica aspasia aspasia
Tawny Bushbrown (Borneo)
種分布:南ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、大スンダ列島、パラワン

記録:2017/3/1
場所:ラナウ、ボルネオ、マレーシア (Ranau, Borneo, Malaysia)

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キシタマダラ♂ 表面 (ボルネオ)

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キシタマダラ♂ 裏面 (ボルネオ)


♂♀類似斑。地理的変異は少なく、各地産個体の斑紋・形態はよく似ている。

表示亜種aspasia ♂ (ボルネオ)
亜種aspasiaの分布: 南ミャンマー、タイ、南ラオス、南ベトナム、ランカウイ→♀、マレー半島、ボルネオ

平地から低山地に棲息し、1,200m程度の山地でも見られる。樹林地の林縁や周辺の草地を飛翔したり、静止していたりする。草地で吸蜜にも訪れる。渓流沿いでも見られ、少ないながら動物性ベイトにも誘引される。
アサギシロチョウ(Pareronia valeria)♀黄色型などの擬態モデルになっており、飛翔は緩やかで後翅の黄色がよく目立つ。棲息範囲は広く、個体数は少なくない。ただ、まとまって見られる種類ではない。

翅表の地色は黒色で、前翅外縁には淡灰白色の小斑紋が、亜外縁にはより大きい淡灰白色の斑紋が並ぶ。さらに、中央部から基部にかけて線条斑や大小の矩形斑などがならぶ。後翅表面の基部から中央部にかけて、黒色の翅脈で区切られた黄色斑が広がる。その外側から外縁にかけて、淡灰白色の斑紋が3列並ぶ。
翅裏の斑紋は翅表と類似するが、外縁から亜外縁の淡灰白色の斑紋列はより明瞭になる。
なお、♂の後翅表面の肛角から内縁にかけ、茶褐色の性斑がある。