ヤクシマルリシジミ♂ (台湾) Acytolepis puspa myla
Common Hedge Blue (Taiwan)
種分布:スリランカ、インド、南中国、台湾、南日本、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、スンダランド、スラウェシ、フィリッピン

記録:2019/7/5
場所:埔里、台湾 (Puli, Taiwan)

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ヤクシマルリシジミ♂ 表面 (台湾)

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ヤクシマルリシジミ♂ 裏面 (台湾)


小型種で♂♀異斑。日本の南部にも棲息する種類であるが、東南アジアの個体は別亜種とされる。

表示亜種 myla ♂ (台湾)
亜種mylaの分布:台湾
他亜種1 lambi 分布:タイ半島部、中央ラオス→♂→♀、マレー半島、ランカウイ
他亜種2 gisca 分布:スリランカ、インド、南中国、ミャンマー、タイ→♂、北ラオス、ベトナム

低地から1,400m程度の中山地に棲息する。樹林地の渓流沿いの砂地で吸水していたり、地面付近を飛翔していたりする。また、林縁や樹林内で木の葉に静止あるいは飛翔する個体も見られる。吸水に来る個体は多く、動物性ベイトにも誘引される。
タッパンルリシジミ(Udara dilecta)など他のルリシジミ類と吸水集団をつくることもある。乾季の山道で染み出る水の付近に多数集まる場合は、全体が薄水色に見えるほどである。ただ、このような場合は複数種類が混ざっているので、本種がどの程度の割合かは見ていない。興味ある事項であるが、小型種の採集と展翅は地道な作業と時間が要るのでまだ試したことはない。一般に本種は棲息環境は幅広く、個体数も多い。

♂の翅表の地色は紫青色で、外縁黒帯は前後翅ともに幅広く、特に翅頂部で幅広くなる。後翅表面の外縁黒帯と重なるように、黒斑が後翅外縁の各室に現われる。また、前後翅共に、翅裏の暗黒斑が透けるように翅表に不鮮明に現われる。
翅裏の地色は灰白色で、暗黒斑が多数散在する。暗黒斑は変化が大きく、太く明瞭に現われる個体から不鮮明になる個体まである。雨期の個体の斑紋は、太く明瞭になる傾向がある。
ホリシャルリシジミ(Celastrina lavendularis)と類似する。裏面斑紋の発達はホリシャルリシジミよりさらに強く、前翅中央斑列は大きく鮮明。前翅裏面の第4室の斑紋は、同列の斑紋を結ぶ線に対しホリシャルリシジミと同様にあるいはそれより強く傾斜する。また、第2室の斑紋は目立って大きく、第3室の斑紋よりかなり内側に偏在する。