クロミスジ♂ (ラオス) Neptis harita harita
Dingiest Sailor (Laos)
種分布:北インド、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、ボルネオ、スマトラ

記録:2017/3/7
場所:バンビエン、ラオス (Vang Vieng, Laos)

170420Db01SW
クロミスジ♂ 表面 (ラオス)

170420Db02SW
クロミスジ♂ 裏面 (ラオス)


♂♀類似斑。ミスジ型の斑紋構成であるが、ミスジ斑が灰褐色になるクロミスジ類の1種。

表示亜種 harita ♂ (ラオス)
亜種haritaの分布:北東インド、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム、マレー半島

標高300m程度の低山地に生息し、主に樹林地に生息する。林縁の樹木付近を飛翔したり、林道の明るい地面を飛翔したりする。また地面でミネラルを吸収していたり、渓流沿いで吸水していたりする。動物性ベイトに誘引される。腐果にくる個体は観察していない。
飛翔は緩やかな滑空型で、黒っぽく見える。他のミスジチョウ類と混生するが、本種は黒っぽいことから区別できる。イリラクロミスジとも混生するが、現地で生態から区別することは難しい。
生息範囲はやや広く、少ない種類ではないが多い種類でもない。殆ど通年にわたって見られる。

翅表の地色は黒褐色で、前翅の中室に線条斑と、後翅の中央線条斑、外中央線条斑と3本の線条斑がある。色調は灰褐色であるが、後翅の中央線条斑はやや白色味が強い。♂は後翅前縁に灰色部が広がる。
翅裏の斑紋は翅表と殆ど同じであるが、地色は灰色味が強くなり、線条斑と斑紋は白色味が強くなる。
イリラクロミスジ(N. ilira)と類似する。前翅表面の第2室の灰白色紋は、本種クロミスジでは3日月型であるが、イリラクロミスジでは円形になる。後翅外中央の線条斑は内側の線条斑と外側の波型線条斑からなるが、本種では2つの線条斑は密接する。イリラクロミスジでは、外側の線条斑は波型にならず内側の線条斑と離れる位置にある。